2021年3月7日日曜日

統合失調症完全克服マニュアル 総論 改訂版

 

統合失調症完全克服マニュアル

総論

 

統合失調症について語ろうと思う。なぜ私が統合失調症についてかくも詳しいのか? などという野暮な詮索はしないでくれたまえ。まぁ、ともかく統合失調症について語る。

現在の医学的常識に反するが統合失調症は脳の疾患ではなく基本的に心理学的病であると私は主張する。基本的に外的ストレスが患者を被害者意識に凝り固まらせてしまい、その強い被害者意識が患者の心身を常時緊張させることから、統合失調症は発症すると私は思っている。

統合失調症は現代病といわれているが、なぜ現代が統合失調症を発症させやすいかというと、私見によれば現代の若者は19世紀以前に比べて自分の将来を予見しやくなったということが逆に彼らを不断の緊張状態に置くためだと考えられる。

19世紀以前の若者は1年先の将来というものを予想して行動しようと思わなかった。なぜ予想して行動しようと思わなかったかというと、一年先の世界では疫病が流行って自分が死んでしまうかもしれないし、干ばつや洪水で収入が途絶えてしまうかもしれないし、火事で全財産をうしなってしまうかもしれないからである。もちろん幸運にも今と同じように暮らしているかもしれない。何が言いたいかというと現代と比べて19世紀以前は将来を予想できにくかったし、たとえ予想しても疫病や干ばつ、洪水などに対して十分に有効な予防策や備えをしておくことは不可能であったということである。その結果一昔前までの人々は、将来はなるようにしかならないということを現代人よりも深く洞察することによって、近視眼的に被害者意識に凝り固まらずに、とりあえず目の前の仕事をリラックスしてマイペースに丁寧にこなしていたのである。

それに比べて現代は基本的に学歴社会で天災などの外的な危険は先進国の都会ではほとんど無視できるようになった。つまり大学入試時の点数でその後の将来がある程度見えたような気になりやすい。このことが逆に過剰な競争社会を作り若者を近視眼的に被害者意識に凝り固まらせて常時緊張させ統合失調症を発症させやすくしているというのが私の見解である。

統合失調症の中核症状を妄想型、破瓜型、緊張型統合失調症に共通する陰性症状とすることは異論のないことだと思うが、統合失調症の陰性症状とはどのような状態かというと、心身が常時緊張して、かつ心身が常時緊張しているから心身を休めること、回復させることができずに疲労困憊になっている状態が長期間続くことである。こう書くと健康な人でもそのような状態はありそうなように思う人がいるかもしれないが健常者は夜睡眠中はリラックスしていて、かつ睡眠中は心身の疲れを取り、新たな活力を作る自然治癒力が働いているが統合失調症の陰性症状の人は睡眠時もリラックスせず、かつ朝起きたときも全く心身が全然回復していないことが決定的にちがうのである。

心理学的にもう少し詳しく陰性症状の状態を説明すると、まず心身が何らかの外的ストレスに対して不屈の意志を持って忍耐しすぎて常時緊張してしまい、かつ疲労困憊の状況に統合失調症患者はある。なぜ心身が常時緊張しているかと言えば無意識下で常に外の世界に対する恐怖感、不安感を強く感じているからである。そして無意識下で強く恐怖感、不安感を感じていると逆に意志の面では強く生きることに執着してしまい、意識上では過剰に自己愛を抱き、自分の人生を過剰に重要視しすぎてしまう。つまり被害者意識に凝り固まらせてしまう。それによってより無意識下で力んでしまい、心身がより緊張してしまう。つまり陰性症状とはこういう悪循環にはまっている状態である。

このような緊張の悪循環から抜け出せれば統合失調症は5割がた克服できるわけであるが、どのようにすればこの悪循環から抜け出せるかというと自分の人生を意識的に軽視すればいいのである。人並みに幸せになりたいという欲望、自分の人生を重視しすぎる心を意識上軽視する、つまり自分の小我を軽視できれば自分を美しいと思える。自分を好きになれる。利他的になれる。ゆえに心に余裕が生まれリラックスする。そうすると無意識下の恐怖心、不安感、被害者意識が少し和らぐ。無意識下の恐怖心、不安感、被害者意識が軽減すれば無意識下にある生きんとする意志、生きたい、幸せになりたいという執着がすこしだけ薄らぐ、そうすると意識上でより自分の人生を軽視できるようになる。以下略。とまぁこういう好循環に入ると統合失調症から次第に回復していくのである。

このようにして統合失調症のもたらす緊張状態を解いていくことによって統合失調症から回復することは可能なわけだが、上記のように心に余裕を持つことにより統合失調症の残りの5割を回復させるもう一つの作用である自然治癒力が同時に働き始めることもここで強調しておきたい。

身体病の場合、基本的に放っておいても勝手に自然治癒力は働くが、精神病の場合放っておいても心身の緊張状態がなかなか解かれないため自然治癒力も働きにくくなってしまっているのが精神病が治りにくいゆえんでもある。(自然治癒力は心身が緊張し、リラックスしていない状態だとほとんど働かない)

あらゆる薬、手術は自然治癒力を補助、補完するものにすぎないものであるということは医学的常識であるが、ほとんどの精神病のように基本的に現代医学ではまだ全く効果のある薬やリハビリが確立されていない場合には自然治癒力をいかに高めるかということが最重要となってくる。

つまりまとめると自分の人生を軽視すればそれだけで精神病は良くなると言える。(どのうようにどの程度自分の人生を軽視すればよいかは各論に譲る。)

総論を終える前に最後に抗精神病薬についてのエビデンスとそれについての私の見解について述べる。

 

1961年、カリフォルニア州精神保健局は、18ヶ月以内の退院率について、非投薬群(88%)、投薬群(74%)と報告している[128]

1977年、アメリカ国立精神衛生研究所英語版NIMH)の臨床研究施設における研究報告は、退院時期について、非投薬群は投薬群より早いと報告している[129]。また、退院一年後の再発率について、非投薬群(35%)、投薬群(45%)と報告している[129]

1978年、モーリス・ラパポートの研究[ 15]は、退院3年後の転帰について、非投薬群は投薬群より良好で再入院率も低いと報告している[130]

1992年、世界保健機関(WHO)10ヵ国を対象とする研究報告は、2年後の転帰について、貧困国(3分の2近くが良好な転帰、3分の1強が慢性化)、富裕国(37%が良好な転帰、59%が慢性化)と報告している[131]抗精神病薬の使用率は、貧困国(16%)、富裕国(61%)であった[131]3%のインドのアグラが最も良好、使用率が最も高いモスクワが最も悪かった[131]

2007年、マーティン・ハロウの研究[ 16]は、15年後の転帰について、抗精神病薬なし(40%が回復、44%が良好な転帰、16%が一様に不良)、抗精神病薬あり(5%が回復、46%が良好な転帰、49%が一様に不良)と報告している[132]

 

上記のエビデンスはネットの統合失調症のWikipediaに記載してあったものである。また同様の調査報告はネットのいたるところにあるが、日本の医学生や精神科医が読む本には反対に統合失調症を治すには抗精神病薬をもって治療しなくてはならない、と書いてある。ただしこちらの見解には少なくともネット上には何のエビデンスもない。またネットでは現在のところ統合失調症には治療法はなくただ自然治癒力でのみ治る場合があると書いてあるが、上記のように日本の医学書では抗精神病薬を飲めば統合失調症は治ると書いてある。(治療とは病気を治すという意味しかない。笑)

また日本の精神医学では統合失調症は早期受診すると予後良好になるというもっともらしいエビデンスがあるが、発病後すぐ興奮状態で入院せざるを得ない妄想型統合失調症が予後良好なだけで、どう考えても予後不良になりやすい破瓜型や緊張型の統合失調症患者が初期にはたいした症状がないので受診しないのをいいことに自己正当化しているだけであろうこととは容易に推測される。

日本の医学書、ネット上のエビデンス双方を読んだ私の見解としては抗精神病薬は陽性症状、つまり妄想や幻聴や幻覚を消す対処療法としては確かに少しは効果がある(私見では急性期の患者の抱いている恐怖感を、強い身体的だるさ(精神的には恐怖感不安感のない絶望感)に変えることが抗精神病薬の主な効能だと思っている。)が、総体としてはメリットよりもデメリット(副作用や薬害から起こる二次疾患)の方がはるかに大きいものであるから基本的に飲むべきものではないと思っている。ちなみに抗精神病薬を飲む最大のデメリットといえばたとえ完全寛解したとしても抗精神病薬を飲んでいる限り、体が疲れやすくフルタイムで10年、20年と長期間働くことは不可能に近いということである。

ただそうはいってもこの文章を読むほとんどの読者は私と同様に抗精神病薬を強制的に飲まされてからすでにずいぶん経っていて手遅れになっていることだろう。(抗精神病薬を断薬したらかなり高い確率で再発するというエビデンスだけは正しいものであると私も信じている。また日本の精神科医の良心とも言われている中井久夫の「抗精神病薬を飲んで一度天然の統合失調症から薬物性の統合失調症に変わった者は完全寛解した後も抗精神病薬は極少量常時服薬して一生を送った人の方がエレガンスを保つことが多い」という意見も捨てがたい。

ゆえに私は抗精神病薬の有効性を認めない立場ではあるが各論では発症からどれくらいの時間を経過して、精神状態が安定していたらどのような薬を減薬、断薬していけばいいのかということについても記載しておくことにする。

なお上記の意見に反論できるようなエビデンスを提示できるのなら、そのエビデンスをコメント欄に張っていただくと幸いである。

 

 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿