2024年5月23日木曜日

イスラエルについて

 

イスラエルについて

 現在のイスラエルの状況について色々と考え見たのでメモしておく。

 2024520日現在、イスラエルは第二次世界大戦末期のナチスドイツと同じような四面楚歌の状況に陥っている。イスラエルのラファ作戦は頼みの米国にも非難され、完全に梯子を外されている。

 ナチスドイツはなぜ勃興したのかというと、第一次世界大戦の巨額の賠償金で苦しんでいたドイツに英米の資本家が投資したからであり、イスラエルがなぜ建国でき、その後発展できたかというと英米の資本家が投資したからである。つまりナチスドイツもイスラエルも英米の傀儡国家なのだが、ナチスドイツのヒトラーが最後に自殺して、第二次世界大戦のすべての悪の根源として責任を取らされナチスドイツが消滅したように、イスラエルのネタニヤフもこのままいけば自殺して、第三次世界大戦の悪の根源はすべてシオニズムイスラエルににあるとされ国家消滅されそうになっている。Xでも毎日のようにイスラエルのユダヤ人と自称している人間がパレスチナ人を侮辱、虐待する動画がアップされ、世界中の庶民の憎悪をなんとかユダヤ人に集めようと英米の資本家がやっきになっている。

 確かにナチスドイツのユダヤ人に対するジェノサイドや今のイスラエル人のパレスチナ人に対するジェノサイドはおそらく本当に起こっているのであろうが、どう考えてもドイツ人やユダヤ人が自由意志で行ったとは考えにくい。

 そこでまず大恐慌から第二次世界大戦までの流れを経済学的に説明することにより、現在の第三次世界大戦で一体何が本当に起こっているのかを推測しようと思う。

 1929年から世界大恐慌が始まる。1933年にアメリカが金本位制を停止して、金融緩和することにより大恐慌を克服しようとする。ここで世界各国で通貨切り下げ競争が起こる。そして通貨切り下げ競争(近隣窮乏化政策)に勝った日本とソ連とドイツがもし第二次世界大戦が起きず、世界的デフレが続いたのなら相対的に繫栄し、英米仏が衰退することが経済学的に1930年代後半には見えてきた。

 それを避けるために英米は何としても戦争を起こして、日本とドイツとソ連の工業地帯を焼け野原にすることによって世界大恐慌による世界的デフレを克服しようとした。

 英米は傀儡国家ドイツと中国国民党蒋介石を使い、日本とソ連を第二次世界大戦に引きずり込んだ。これが経済学的に見た大恐慌から第二次世界大戦までの真相である。第二次世界大戦を日本とドイツによる侵略戦争とするのは英米の流したプロパガンダである。なぜなら英米には第二次世界大戦を起こす戦争動機があり、日本とソ連とドイツには第二次世界大戦を起こす戦争動機は経済学的に見てなかったからである。そして英米仏の戦争目的は日本とソ連の工業地帯を焼け野原にすることだった。傀儡国家ドイツは上述している通り、英米からの投資により繁栄しているので英米に逆らえずソ連を攻撃したのであり、中国国民党蒋介石政権は第二次世界大戦の英米の勝利の後は、東アジアの英米の代理人、中間搾取国に中国がなることを条件として、日本を日中戦争に引きずり込んだのだと思われる。

 なぜ英米がこんな大掛かりな仕掛けをしてまで第二次世界大戦を引き起こしたかというと、世界大恐慌を軍事力によって克服しなければ、白人先進国が有色人種の植民地を半永久的に搾取する金本位制というシステムが完全瓦解してしまうからである。(金本位制が先進国が発展途上国を半永久的に搾取するシステムであるということの詳細を知りたい方はこちらをお読みください。中核信念 橘謙信公式ブログ : 1 2023 (kensintachibana.blogspot.com)

 

経済学的に言えば、世界大恐慌つまり世界的デフレは実物経済が供給過剰になり、自由競争が切磋琢磨からつぶしあいが主流になったことによって起きる。そのため世界大恐慌を根本的に克服するには各国が生産調整をする世界的談合によることがもっとも平和的な解決策となる。しかし世界大恐慌を世界的談合により解決するということは白人先進国が有色人種の植民地を半永久的に搾取システムを完全破壊することになってしまうためにそうはせず、白人先進国が半永久的に先進国として豊かに暮らすことを目的として英米が第二次世界大戦を起こし、日本とソ連の工業地帯を焼け野原にしようとしたということは押さえておきたいポイントである。

 

第二次世界大戦の結果はどうだったかというと、日本の工業地帯は計画通り焼け野原にできたが、英米が全面的にバックアップしたナチスドイツはソ連にまさかの敗北を喫したため、ソ連の工業地帯は焼け野原にはできなかった。仕方がないので英米はその代わりに用済みになったドイツの工業地帯ドレスデンをイギリス軍を使って爆撃して焼け野原にした。

また英米の予想外の出来事としては日本がアジアの独立運動に火をつけて第二次大戦後アジアで多数の欧米の植民地だった地域が独立したことと、中国国民党の蒋介石は中国共産党の毛沢東に国共内戦で負けたため大陸中国は英米の代理人としての中間搾取国にはならなかったので大陸中国を欧米の準植民地にすることができなかったことである。

このことから見て第二次世界大戦は英米の辛勝といったところが妥当な見方であろう。

また今から考えれば、ナチスドイツがなぜ英米の命令通り、独ソ不可侵条約を破ってロシアと戦ったり、ユダヤ人ジェノサイドをしたのかというと、おそらく英米の命令に従わなければドイツ人民族の滅亡にかかわるような脅迫をされていたからであろう。どのような脅迫を英米からされていたのかというと、もし命令通り動かなければ、今後一切未来永劫他の欧米白人諸国はドイツから何も買わないし、ドイツに何も売らないと言われていた可能性が一番高い。(日本にはアジアと商取引できるので致命傷とはならなかったが日本も第二次世界大戦時に一応英米に実際やられていた。)1930年代のころは世界のほとんどは欧米の植民地だったため、これをやられると植民地を持たないドイツは石油もその他の資源も一切入らなくなるためドイツ人としては民族の存亡の危機となると判断したのだろう。

しかし、欧米では個人に対する迫害方法として集団ストーカーをして精神病を発病させて、精神病院に強制入院させて向精神薬で廃人にするという常軌をきっした国家犯罪が第二次世界大戦前から行われていたことから類推して、それと同じような対国家バージョンのなんらかの大掛かりな迫害方法が他にある可能性はけっこうあるし、現代においてもエプスタイン島で児童を虐待、虐殺することで白人支配層の個々人の団結を確認していたように、ジェノサイドという国家犯罪を起こすことが、ドイツにとって他の白人諸国に忠誠を誓う国家儀式である可能性も捨てがたい。(そう考えると植民地時代欧米諸国がアメリカ大陸、アフリカ大陸、アジアをただ植民地にするだけでなく、ネイティブアメリカンやアフリカ人、インド人を気が狂ったように虐待虐殺した理由も納得がいく)。

以上のような第二次世界大戦周辺の流れを押さえたうえで今起こっている第三次世界大戦を経済学的に説明してみようと思う。

今現在、世界経済においては世界的スタグフレーションが始まりかけている。金本位制の世界ではデフレによる世界大恐慌が白人先進国の有色人種を搾取するシステムにひびをいれる出来事ように、不換紙幣世界では先進国が金融緩和できなくなり、世界的スタグフレーションが起こることが白人先進国が有色人種を搾取するシステムにひびが入る出来事になる。(詳しくはこちらを読んでください。中核信念 橘謙信公式ブログ : 1月 2023 (kensintachibana.blogspot.com)

 

 そのひびを修復するために白人西側諸国は世界の他の国に金本位制の再導入をする必要と軍事力によって中国と東南アジアの工業地帯を焼け野原にする必要に迫られた。金本位制を再導入するためにロシアをスイフトから締め出して、世界の発展途上国政府に不換紙幣通貨システムに不信を抱かせ金本位制を望むようにさせたり、中国を台湾有事に誘い込むためにウクライナとロシアとの間で戦争を生じさせた。(今起こっているウクライナ戦争はわざとウクライナとそのバックのNATO欧米諸国がロシアに負けるところを見せて、中国に台湾を攻めさせようとするための撒き餌だったと思われる。ウクライナのゼレンスキーは第二次世界大戦の蒋介石と同じように西側がロシアに勝ったらウクライナを東欧圏の中間搾取国とさせてやるとでも言われていたのだろう。)

 だが、残念ながら中国もロシアも他の発展途上国も欧米の手の内が分かっているらしく、金本位制を拒否し、かつ中国が台湾に攻め込むこともなかったので欧米の敗北は現時点でもう確定している。そこで欧米諸国は傀儡国家イスラエルにガザでジェノサイドをさせて、すべての発展途上国の憎悪をイスラエルに向けさせ、第三次世界大戦の敗戦責任をイスラエルに全部取らせようと今企んでいると推測される。(欧米の傀儡国家イスラエルが第二次世界大戦時の欧米の傀儡国家ナチスドイツみたいな悪役を割り当てられているということである。おそらくドレスデンの空爆に倣って、西側のどこかの白人先進国によるテルアビブ爆撃は秒読みの段階に入っているものと思われる。)

 ここまで読んで本当に欧米白人支配層がそこまで性格が悪いか疑問に思っている人がいるかもしれないので、それについて話はちょっと脱線するが説明しておく。

 ギリシャ時代から欧州では金貨や銀貨が使われていて広義の意味での金本位制だった。不換紙幣経済のエッセンスはミクロ経済においてもマクロ経済においても他人が得することは全体が得することである。つまりマネーは天下の周りものという格言がある通り、他人に得させることは間接的に自分にも得させることになるということがエッセンスなのである。だが、金本位制においては基本的にゼロサムゲームなので、確かにミクロ経済においては他人に得させない限り金持ちになることはできないのだが(おいしいパンを作って他人を幸せにするパン屋でなければ、パン屋として繁盛しないし、お金も儲からないということ)、マクロ経済的な視点から見ると他人に損させない限り自分のマネー(ゴールド)が増えないことがエッセンスとなる。つまりマクロ経済的に見れば他人の損は自分の得に必ずなるということが広義の意味での金本位制のエッセンスなのである。

 そのエッセンスを応用することにより、欧米の金本位制下では上級国民が半永久的に上級国民であり続ける必勝法が少なくとも中世から存在していた。どういう必勝法かというと例えば欧州域内にAという国家とBという国家だけが存在するとしてA国とB国の上級国民同士は縁戚関係にあったとする。この場合においてA国とB国の上級国民同士が陰で結託しながらも表面上は敵対しあって軍拡競争したり、実際に小競り合い程度の戦争を定期的にA国とB国の間でしたりしてA国とB国の一般庶民に重税をかけたりして損害を与えることによって、A国、Bそれぞれの上級国民は得することができるので(庶民の損は必ず上級国民の得になるから)、A国とB国の上級国民はそれぞれ半永久的にA国、B国において上級国民として君臨することができるというものである。確かにこれをするとA国、B国双方ともに全体の利を最大化することができなくなり、A国、B国ともにより豊かになることを阻害するが、A国、B国の全体の利を最大化よりも自分たち上級国民が半永久的にA国、B国それぞれにおいて上級国民として君臨するを優先することが、この必勝法の中核的価値基準である。要するにA国とB国の上級国民としては表面上はA国、B国の庶民に恨まれないようにいい君主として民の幸福を願うと言いながらも、実際の行動では常に自国の民の不幸にし、損害を与えようと試みることを統治の基本原則とするということである。おそらく欧米にあると言われる帝王学というものはこの統治原則について詳しく書かれているものなので一般庶民には決して公開されないのであろう。

 以上の必勝法を欧州の支配層、上級国民が少なくとも中世以降ずっとやってきたことは、欧州内諸国が中世以来ずっと近隣諸国と小競り合いを繰り返していた歴史を少しでも知っている人は疑いを持たないであろう。(バランスオブパワーという軍事戦略は、金本位制下において上級国民が半永久的に上級国民であり続けるために軍拡競争を正当化するための後付け理論であると思われる。また現代アメリカでも金本位制下と同じように巨大な軍事費や宇宙開発費を計上して庶民を苦しめている理由は(不換紙幣経済下においてそれは確実にアメリカを衰退させる行為だが)、どうしても政府が昔からの上級国民の利権を潰すことが政治的にできないものだからだと思われる。)

 上記の通り、少なくとも中世以降800年以上は欧米の支配層、上級国民は極悪非道だったし、植民地時代以降の欧米の有色人種に対する極悪非道な行いを見ても欧米白人支配層は極悪なのは歴史的に見れば明らかである。問題は今現在の欧米の支配層も極悪非道なのか否かということなのだが、それについて確実な事実に知っている人でかつ自供しそうな人はイスラエルのネタニヤフであろう。

 80年前、ナチスドイツにジェノサイドをさせるためにどのような脅迫がされていたかということと、ナチスドイツのジェノサイドの本当の黒幕は誰だったかということはヒトラーの自殺とナチスドイツの国家消滅によりうやむやにされてしまった。それにより欧米の植民地時代からの有色人種に対するジェノサイドの本当の黒幕が誰だったのかということがうやむやにされたままだったが、今、同様のジェノサイドをしているイスラエルのネタニヤフをなんとか自供させることに成功すれば、50%くらいの確率で極悪非道な欧米の真の悪の中核、真の黒幕がどこなのか分かり、かつ欧米の上級国民が持つ権力の道徳的正統性を崩壊させて、欧米の上級国民を二度と悪事ができないように地獄に落とすことができるかもしれないということである。(この機を逃せば多分永久に本当の真相は分からなくなるので、今がラストチャンスということでもある。またそれが分かれば今現在、コロナワクチンの副作用ということにして、故意に全世界の多くの市民を死傷させている本当の黒幕も分かるであろう)

 ネタニヤフから自供を引き出すにはユダヤ人の身の安全を確実に保証しなければならないので、イスラエルだけでなく欧米に住んでいるユダヤ人も希望する者には有色人種圏内に移住し、生計を立てる道をある程度保証しなければならないので(ネタニヤフが自供したら、欧米に住んでいるユダヤ人は生き地獄を味あわされた後、なぶり殺しにされる可能性が極めて高いので)極めて難しい課題だが、私としてはなんとしてでもやって、世の中を祓い清めてから新時代を切り開いていくべきだと思っている。

 

 中世の欧州における広義の金本位制による搾取も植民地時代の有色人種への搾取、虐殺も敵国の工業地帯を焼け野原にさせることを戦争目的とする第二次世界大戦、第三次世界大戦もコロナワクチンにより人類の免疫力を意図的に低下させて儲けようとする医療ビジネスも、共通していることは相手に損害を与えることによって自分が得をしよう、楽に生きよう、未来永劫上級国民が上級国民であり続けようという意志である。

 他人の犠牲の上に自分が半永久的に上級国民として君臨しようと自由意思において知恵の限りを尽くすこと、つまり知性化された悪はこれほどまでに科学が発展している現代においては人類の存亡を極めて脅かすものであるから否定すべきであることに誰も異存はないであろう。

 確かに経営者や企業人の仕事は、いかにして楽して継続的に金儲けをするビジネスモデルを構築するかを考えることであるが、それはあくまで他人に得をさせながら、他人に幸せを与えながら自分が豊かになるビジネスモデルでなければならないのである。

 もう二度と少なくとも人類の存亡に関わるような戦争を起こさないためには、上級国民が上級国民であるために先進国が発展途上国を半永久的に搾取したり、資本家やエリート、上級国民が一般市民を半永久的に搾取したりするシステム、ビジネスモデルは決して許してはいけないのである。

 自分の重荷を他人に背負わせて楽して生きようとするクズは不幸になれ! とみんなが願うほど人類が健全な魂を持つことが望まれる。

 

 

2024年5月17日金曜日

統合失調症患者の目指すべきゴール

 

統合失調症患者の目指すべきゴール

統合失調症を発症して、なにはともあれ急性期を切り抜けて精神的に落ち着いてきた人がいろいろと試行錯誤しながら自分なりに自然治癒力を高めて回復しようとするとき、自分が日々回復しているか回復していないのかが分かる基準を見つけようと思うことだろう。また統合失調症が回復するとはどういうことなのという定義について知りたいと思うことだろう。

まず回復のゴールを病前の健康だったころに戻ることだとするならばそれは到底無理だと誰もが直感的に分かるであろう。またもし病前の精神状態に戻れたとしてもその精神状態はまたすぐ統合失調症を再発しやすい危うい精神状態であるから冷静に考えれば誰もそのような精神状態には戻りたいとも思わないはずである。

しかし多くの患者はあまり深く考えずとりあえず社会復帰してフルタイムで働いて、人並みに稼ぐことを目標として日々リハビリに励んでいる。が、それははっきり言って賢明な目標とはいえない。なぜなら肉体労働だったら45歳くらいまで、デスクワークだったら50歳くらいまでなら確かに週40時間フルタイムで働けるかもしれないがそのくらいになると向精神薬の副作用と老化現象の相乗効果により体が疲れやすく、かつ疲労を回復するための時間が長時間必要になっていきフルタイムでは働けなくなっていくからである。私自身、45歳くらいまで週30時間くらいブルーカラーとして働いていたが、45歳くらいから体が疲れやすくて週20時間くらいに減らさざるを得なくなって、今51歳で週に一日9時間労働しか働いていない。確かにもっと命をかけて働くならまだ週に20時間くらい働けるかもしれないが、後述するように過労は統合失調症を極めて再発させやすくなる要因の一つなので、そこまでのリスクを冒してまで人並みに稼ぎというものに執着するのは客観的に見て賢明な判断とは言えないだろう。

また人並みに稼ぐ人生とは基本的に正社員として、フルタイムで定年まで働いてきっちり退職金までもらうことでようやく完成する人生のことだが、統合失調症から回復した人でそんな人生を送れるスタミナを持つ人は千人に一人もいないのでやはりそういう人生を目指そうと思うことは早めに諦めたほうがいいだろう。確かに人並みにフルタイムで働き、人並みの稼ぎを得るということは、統合失調症を発症して障碍者となってボロボロになった自尊心を回復させる手段としては一番簡単で、一番安易な方法に見えるし、自尊心を回復させることと統合失調症を治すことはほとんど同じことだとはいえる。しかし、冷静に自分自身のスタミナのなさ、ストレスに対する弱さ、疲労から回復するために要する時間を考えて、どう考えても少なくともサラリーマンとして人並みの稼ぎを得ようとすることは不可能なことに早めに気づくべきである。短時間バイトを健常者と対等に肩を並べてすることは私も自尊心を回復させるために推奨するが、それだけでは回復できない自尊心は、私見としては後述するようにこまめにメモを取ることによって丁寧に日常生活を送ったり、近所のごみ集積所の掃除などの利他行為をしながら金にはならないけれど自分に誇りを持てる生活をすることによって回復させるべきだと思っている。つまり人並みの給料を得られなくても、自分の弱さを自覚しながらも、ともかく粘り強くこつこつと自分の人生をセルフコントロールし、人間的に成熟しようと努力していると自尊心は回復するということである。

また人並みに稼いで人並みの幸せを手に入れられれば、確かに自尊心を回復させることはできるかもしれないが、人並みに幸せになりたいという執着は一方では統合失調症の認知機能障害を完全回復させるための最大の障害となるので、そういう意味でもフルタイムで働くことを回復の目標とすることはおすすめできない。

ではどういった状態になることを統合失調症の治療のとりあえずのゴールとすべきかというと、今現在あなたは統合失調症回復期初期に状態において、途方にくれていて、かつなにかに抑圧されていて頭がうまく働かないような状態になっているとおもうが、その状態が解消されて、明るく朗らかな気持ちになって、かつ抑圧感から解放されて頭が病前以上に冴えるような状態になることをゴールとすればいいのである。

また良心的精神科医の代表ともいえる中井久夫も、貧しくても暇な時間がたっぷりあって余裕感の中で憩う統合失調症を完全寛解した人は健常者よりも幸せそうに見えると言っているが、私自身、統合失調症完全寛解者としてその意見には完全に同意する。貧しく質素な生活の中で自分の中に弱いけれど優しい心を感じ、ゆっくり生きる喜びを味わいながら生きることは、健常者には多分分からないかもしれないが、統合失調症という大病を乗り越えた人にとってはなによりも幸せなことなのである。またそういう風に生きることが中井久夫の言うエレガントに生きるということなのだと私は思っている。

詳細については章を改めて述べるが、自分の幸せのためか何か他の目的があるのかはよく分からないがともかく世間や周りの人たちに勝つために戦い続けることが病前の人生だとすれば、統合失調症を発症するということはそういう人生が強制終了することであり、闘病を経て、統合失調症が完全寛解するということはリラックスしながら自分の人格、人生を完成させるため、または他人を幸せにするために生きていこうと本心から思い、人生の第二ステージの扉を自分で開き、歩み始めることなのである。また病院のデイケアなどで統合失調症から寛解した人を見たことがあると思うが、統合失調症から寛解した人はみな憑き物の落ちたような晴れやかな顔をしていて、かつ天真爛漫に生きている。つまり統合失調症患者が目指すべきゴールはエレガントに生きながらかつ天真爛漫に生きているような境地だともいえる。心のゆとりを大切にして、エレガントにかつ天真爛漫に生きられるようになれば、統合失調症の認知機能障害も当然完全回復して、病前以上に頭も回転するようになっているから両者は同じゴールだともいえる。

 

統合失調症はどういう病気かということ及び統合失調症なる原因についての私見

 

統合失調症はどういう病気かということ及び統合失調症なる原因についての私見

私見では、統合失調症とは意識上の自分と無意識下の自分との間にある壁が崩れて、意識上の自分と無意識下の自分が混合する病気であると思っている。どういうことかというと健康な人でも夜眠っている時、夢の中のでは意識上の自分と無意識下の自分が混合していてかなり支離滅裂な思考や行動をしていると思うが、統合失調症の人は朝、目覚めてからも意識上の自分だけに切り替わらず、夢の中の自分のままでいるということである。

そう考えると、健常者が統合失調症患者を見て感じる奇妙な違和感(プレコックス感)がどのようなものかも説明できる。つまり意識上の自分と無意識下の自分が混合している状態、夢の中の自分が昼間起きている時も現れている状態の人に対する違和感のことをプレコックス感というのである。昼間ぼさぼさ頭で寝巻を着ている夢遊病者がコンビニにいるのを見たら違和感を感じるように、無意識下の無防備で精神の身づくろいができていない自我が起きているのに表れているのが、統合失調症患者に対する違和感、プレコックス感の正体なのである。

統合失調症が夢の中の自分が起きている時も現れているのだとしたら、なんらかの刺激により統合失調症患者をより清明に目覚めさせることができれば、簡単に統合失調症は治るのではないかという仮説がなりたつが、その仮説は半分当たっていて半分間違っているというのが私の実感である。

詳細は後述するが私が統合失調症の急性期で入院していた時、夜寝る前の薬を飲むと確実にその夜のうちに死んでしまうような強い恐怖感を伴った確信が一週間ほど続いた時があった。その時私はいろいろ考えた結果、覚悟を決め、よし、死んでやろうと捨て身になって毎晩薬を飲みこんでいたのだが、朝になると不思議なことに毎回助かっているのを確認していた。6日目の朝だったと思うが、起きてみるとふと自分が悪い夢からさめたような気分になって急性期の錯乱状態から正気に戻っていた。

今、統合失調症発症から14年目にして、完全寛解(完全に認知機能障害が治った状態)から6年目の時点から考えると、入院から2か月くらい経ったこの正気に戻った時にすでに統合失調症は半分くらい治っていたのだと思うが、残りの半分はまだ治っていなかったと思っている。残りの半分をどう治すかというと、自分で意識的に自分の精神の無意識下の自我の部分で意識上に現れて、枯れてしまった部分を刈り込んで、あとは自然治癒力によってその部分が再生することを待つことが必要であると私は思っている。

要するに統合失調症が治るということは捨て身になって恐怖を克服しようと思えば、ある程度、意識上の自分と無意識下の自分が分離されるが、それだけでなくその後も急性期と同じように意識上の自分と無意識下の自分が混合した部分があるので、その部分で不要なところは意識的に刈り込むことが必要だということである。(そのことによって精神の身づくろいができ、統合失調症患者の持っているプレコックス感も軽減できる。)つまり薬を飲んでただ待っているだけでは絶対に治らない病気が統合失調症だと私は思っている。

 

またどのような人間が統合失調症になりやすいかというと、一般的にはストレスに弱い人間がなりやすいと言われているが、私見によればストレスに強すぎる人間というか、克己心の強い人間、障害や恐怖にあくまで立ち向かおうとする人間が統合失調症にかかりやすいと思っている。つまり恨みを忘れたり、許したり、志を諦めたり、負けを認めたり、世間に妥協したりしない精神的に剛強な人間ほど統合失調症になりやすいということである。そうでなければ意識上の自分と無意識下の自分を分けている壁が叩き壊されるほどのストレスを自分の心の中にかけることはできないからである。

このことから統合失調症を予防するために何が大切かというと、人生において時には忘れ、許し、あきらめ、負けを認め、妥協することも大切だということを知ることが一番重要だと言えるかもしれない。

また上記に述べたように統合失調症は人生に苦悩するような剛強な人間がなりやすいが、統合失調症を治った人間はみんな突き抜けた明るさを持った柔弱な人間に変化している。(また私見ではそう変化しならなければ治らない。)また統合失調症は脳の過活動により、奇妙なことをいろいろなことをひらめきやすい病気だが、統合失調症を完全寛解した人はものすごく社会に役立つようないいひらめきをする頭のいい人になることが多い。つまり統合失調症とは人類がより聡明になるためにある進化のための乗り越えるべき障害としてあるのであって、基本的に病気、つまり無理をしすぎて弱った体を原状回復させようとするために出る身体症状や心理症状、ではないと言えるかもしれない。